*os_mac.txt* For Vim バージョン 8.1. Last change: 2019 Apr 21 VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
このファイルは、Mac 版の Vim に特有の事柄について書いてあります。これは古い Carbon 版の Vim についても書かれてゐることを考慮してください。あなたがもしも新しい MacVim.app を使つてゐるのなら、|macvim| に移動してください。ここにある情報のいくつかは MacVim.app に當てはめることができません。
Note:
このファイルの內容は少し古いです。古い Carbon 版の Vim で有用な情報が次のサイトで得られるかもしれません:
http://macvim.org/
1. ファイル名の決まりごと | |mac-filename| |
2. .vimrc と .vim ファイル | |mac-vimfile| |
3. 標準的なマッピング | |mac-standard-mappings| |
4. FAQ | |mac-faq| |
5. 知られてゐる不足事項 | |mac-lack| |
6. Mac バグレポート | |mac-bug| |
7. Vim のコンパイル | |mac-compile| |
8. The darwin feature | |mac-darwin-feature| |
以前には、Vim のバージョン 3.0 の Mac 移植版がありました。ここに以前のファイルの最初の數行を示します:
VIM Release Notes Initial Macintosh release, VIM version 3.0 19 October 1994 Eric Fischer <enf1@@midway.uchicago.edu>, <eric@@jcp.uchicago.edu>, <etaoin@@uchicago.edu> 5759 N. Guilford Ave Indianapolis IN 46220 USA
Vim 7 からは Unix のパス區切り文字 (/) しか使へないやうになりました。指定されたファイル名がカレントフォルダからの相對パス (すなはち、"Desktop" からの相對) か、絕對パスかを判斷するには、次のアルゴリズムが使はれます:
パスが "/" から始まる場合は、絕對パス
パスが ":" から始まる場合は、相對パス
パスが "/" でも ":" でも始まらない場合、そして ":" が "/" の前にあるときは、絕對パス
:e /HD/text :e HD:text
ディスク "HD" のファイル "text" を編輯。
:e :src:main.c :e src/main.c
カレントフォルダのフォルダ "src" 內のファイル "main.c" を編輯。
e os_mac.c
カレントフォルダのファイル "os_mac.c" を編輯。
變數 |$VIM|、または |$VIMRUNTIME| を使ふこともできます。
so $VIMRUNTIME:syntax:syntax.vim
Vim script を書くときは Unix の改行文字 (LF) を使ふことが推奬されてゐます。
起動時に $VIMRUNTIME/macmap.vim が讀み込まれ、デフォルトのコマンドキー・マップが定義されます。
古いシステムでは、ドット "." で始まるファイルは推奬されてゐません。そのため、rc ファイルは、"vimrc" または "_vimrc"、"gvimrc" または "_gvimrc" といふ名前になつてゐます。これらのファイルは、mac, dos, unix のどのフォーマットでもよいです。|'nocompatible'|オプションが設定されてゐれば、Vim はどんなファイルフォーマットも扱ふことができますが、さうでなければ、mac フォーマットファイルしか扱へません。
以下のマッピングでクリップボードを利用したカット・コピー・ペーストをすることができます。
キー | Normal モード | Visual モード | Insert モード | 說明 |
---|---|---|---|---|
Command-v | "*P | "-d"*P | <C-R>* | テキストをペーストする |
Command-c | "*y | 選擇したテキストをコピーする | ||
Command-x | "*d | 選擇したテキストをカットする | ||
Backspace | "*d | 選擇したテキストをカットする |
FAQ はインターネット上でも參照できます:
http://macvim.org/OSX/index.php#FAQ
Q: Apple ターミナルで非 ASCII 文字を入力できない。
A: [ウィンドウ設定] → [エミュレーション] で「非 ASCII 文字をエスケープする」のチェックを外してください。
Q: コマンドラインから GUI の Vim を起動するには?
A: Vim.app が /Applications にあるとします。その場合:
open /Applications/Vim.app
または:
/Applications/Vim.app/Contents/MacOS/Vim -g {arguments}
Q: GUI または open で Vim.app を起動したとき、$PATH
になんらかの意味のあるものに設定するには?
A: ほとんどのシェルで次のトリックがうまくいきます。vimrc に書き加へてください。macvim.org で配布されてゐるバイナリでは、これがシステムの vimrc ファイルに含まれてゐます。
let s:path = system("echo echo VIMPATH'${PATH}' | $SHELL -l") let $PATH = matchstr(s:path, 'VIMPATH\zs.\{-}\ze\n')
ターミナルでは CTRL-^ は Shift-Control-6 とタイプする必要があります。CTRL-@ は Shift-Control-2 です。
Mac 版の特定のバグや特性の變更をレポートするときは、vim-mac メーリングリストを使つてください |vim-mac|。メーリングリストに登錄したくないなら代はりに MacVim のメンテナーにメッセージを送つてください。
ソースファイルと一緖にある "src/INSTALLmac.txt" を見てください。
あなたがそれほど古くない Mac を持つてゐるのなら、Darwin とも呼ばれる OS X が動いてゐるでせう。Darwin になる前の OS は Mac OS 9 でした。darwin の機能は Vim の Darwin に特有のプロパティを使ひます。
この機能で達成されたものは次の 2 つです:
言ふまでもなく、禮儀正しいテキストエディタとして、同じデスクトップ環境で動作してゐる他のアプリケーションと正確に動作するためには、どちらの機能も見逃すことができません。
Vim は macOS のみをターゲットにしたアプリケーションではありません。そのため、他のプラットフォームのユーザーと同じユーザー體驗を macOS を使つてゐる人に提供するため、特別な機能を追加する必要があります。
手短に言ふと、Vim 機能の中で特にこのプラットフォームに特異的なものを示す機能を "darwin" と呼びます。
この機能はコンフィグオプションです。適宜、有效にするかしないかをビルド時に決定します。ひとたび有效として選擇されると、そのやうにコンパイルされるので、實行時に無效にすることはできません。
この機能は既定で有效にされてゐます。多くの macOS ユーザーにとつて、特定の要求がない限りは、以下で簡單に述べるもので十分でせう。
もしもこれを無效にしたいのなら、configure スクリプトに ‘‘--disable-darwin’‘ を渡します:
./configure --disable-darwin <other options>
それから Vim をビルドするために ‘make
‘ を實行します。オプションの順番は關係ありません。
實行時に darwin 機能が有效でコンパイルされてゐるかどうかを確認するには、‘has('osxdarwin')
‘ を使ふことができます。ここで 1 が返れば機能が有效でコンパイルされてゐます。0 であれば無效です。後方互換性のために、‘osxdarwin‘ の代はりに ‘macunix‘ を使ふことができます。
‘‘--disable-darwin’‘ が有用なものを追ひ出す、注目すべき使用事例は:
どちらも、正しく機能するためには X11 內部クライアント通信を利用しなければならないので、そして、通信機構はシステムクリップボードと衝突するやうになるので、Vim が實行時にハングアップするのを防ぐために darwin 機能は無效にするべきです。