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*usr_06.txt* For Vim バージョン 8.1. Last change: 2019 Jun 01 VIM USER MANUAL - by Bram Moolenaar 構文强調表示
白黑だけのテキストは退屈です。カラー表示すればファイルも生き生き見えてきます。これは單に見た目が良いだけではなく、作業のスピードアップにもつながります。意味のある文字列は違ふ色で表示しませう。そして、畫面と同じ色で印刷しませう。
|06.1| | 構文强調表示を有效にする |
|06.2| | 色がつかない?變な色になる? |
|06.3| | 色を變へる |
|06.4| | カラーを使ふ?使はない? |
|06.5| | カラー印刷 |
|06.6| | 詳しい情報 |
次の簡單なコマンドで全てが始まります。
:syntax enable
これで、カラー表示になるはずです。ファイルタイプが自動的に特定され、適切な構文强調がロードされます。すると、コメントは靑、キーワードは茶色、文字列は赤、といつた具合にカラー表示になります。ファイルが見やすくなりましたね。しばらくすると、白黑のテキストがあなたの足を引つ張つてゐたことに氣づくでせう。
常に構文强調表示を使ひたい場合は、":syntax enable
" コマンドを |vimrc| ファイルに追加してください。
カラー端末のときだけ使ひたい場合は、次のコマンドを |vimrc| ファイルに追加してください。
if &t_Co > 1 syntax enable endif
GUI バージョンのときだけ使ひたい場合は、":syntax enable" を |gvimrc| ファイルに追加してください。
カラー表示がうまくいかない理由はいろいろあります:
setenv TERM xterm-color
シェルによつてはこうかもしれません:
TERM=xterm-color; export TERM
端末名と實際に使つてゐる端末名は同じでないといけません。それでもうまく動かない場合は、|xterm-color| を參照してください。この文書には Vim をカラー表示にする方法がいくつか書いてあります。(xterm に限つた文書ではありません)
:set filetype
この結果が "filetype=" ならば、ファイルタイプが認識できなかつたといふことです。手動でファイルタイプを指定することもできます。
:set filetype=fortran
どんなタイプが使へるかは、$VIMRUNTIME/syntax のディレクトリを見てください。GUI なら、[シンタックス]メニューも使へます。
ファイルタイプの設定はモード行 (|modeline|) でもできます。モード行で指定すれば、そのファイルを開いたときにカラー表示が必ず設定されます。例へば、Makefile なら次のやうに書きます。(ファイルの最初か最後に近い場所に書いてください):
# vim: syntax=make
あなたはファイルタイプの判定方法を知つてゐるかもしれませんね。ほとんどのファイルは擴張子を見ればファイルタイプがわかります。ファイルタイプを檢出して設定する方法については |new-filetype| を參照してください。
色がをかしい場合:
:set background=dark
明るい背景色なら次のやうに設定してください:
:set background=light
このコマンドは ":syntax enable
" より *前* に實行してください。色が設定された後では意味がありません。後から ’background’ を設定した場合は、":syntax reset
" を實行すると、標準色に戾すことができます。
根本的に解決するには、|:syn-sync| を參照してください。一部の構文ファイルは、ずつと上の方まで戾つて解析をしてゐます。詳しくは個々の構文定義ファイルのヘルプを參照してください。例へば、TeX 用の定義ファイル |tex.vim| がそれを行つてゐます。
標準色が好みでなければ、他の色テーマを使ふことができます。GUI ならメニューの [編輯]-[色テーマ] が使へます。コマンドで指定することもできます:
:colorscheme evening
"evening" といふのは色テーマの名前です。色テーマは他にもたくさんあります。ディレクトリ $VIMRUNTIME/colors をご覽ください。
好みの色テーマを見つけたら、":colorscheme
" コマンドを |vimrc| ファイルに追加してください。
自分で色テーマを作ることもできます。その手順は次の通りです。
!mkdir ~/.vim/colors !cp $VIMRUNTIME/colors/morning.vim ~/.vim/colors/mine.vim
$VIMRUNTIME
は Vim が設定する環境變數なので、このコマンドは Vim から實行してください。
term | 白黑端末での屬性 |
cterm | カラー端末での屬性 |
ctermfg | カラー端末での文字色 |
ctermbg | カラー端末での背景色 |
gui | GUI での屬性 |
guifg | GUI での文字色 |
guibg | GUI での背景色 |
例へば、コメントを綠にするにはこのやうにします。
:highlight Comment ctermfg=green guifg=green
"cterm" と "gui" の屬性には、"bold" と "underline" が指定できます。兩方を指定したい場合は、"bold,underline" のやうに指定します。詳しくは |:highlight| を參照してください。
colorscheme mine
次のコマンドで、よく使はれる色の組み合はせを表示して、見榮えを確認できます:
:runtime syntax/colortest.vim
いろんな色の組み合せが表示されます。どれが讀みやすくて見た目が良いかチェックしてください。
テキストをカラーで表示するには、たくさんの計算が必要です。表示が遲すぎると感じたときは、構文强調表示を一時的に止めてみてください:
:syntax clear
他のファイル (又は同じファイル) を開くと、再びカラー表示されます。
構文强調表示を完全に無效にするには、このやうにします:
:syntax off
これで、構文强調表示が無效になり、すべてのバッファが白黑表示になります。詳細については |:syntax-off| を參照。
特定のファイルだけ構文强調表示するには、このやうにします:
:syntax manual
構文强調表示は有效になりますが、ファイルを開いても、自動的にはカラー表示になりません。’syntax’ オプションを設定すると、カレントバッファがカラー表示になります:
:set syntax=ON
MS-Windows では、次のコマンドでファイルを印刷できます:
:hardcopy
通常の印刷ダイアログが表示されるので、プリンタを選擇し、設定してください。カラープリンタを使つてゐる場合は、畫面に表示されてゐるのと同じやうに印刷されます。ただし、背景色を暗い色にしてゐる場合は、白い紙に適した色に變更されます。
印刷方法を變更するには、以下のオプションを設定してください:
’printdevice’ | |
’printheader’ | |
’printfont’ | |
’printoptions’ |
一部の範圍だけ印刷するには、ビジュアルモードで印刷したい範圍を選擇し、印刷コマンドを實行してください:
v100j:hardcopy
"v
" でビジュアルモードを開始して、"100j
" で 100 行下まで移動すると、その範圍が選擇されます。":hardcopy
" で選擇範圍が印刷されます。もちろん、ビジュアルモードでは他のコマンドを使つて移動することもできます。
PostScript プリンタを使つてゐる場合は Unix でも同樣に印刷できます。PostScript を印刷できない場合は多少の手閒がかかります。テキストを HTML に變換してから Web ブラウザーで印刷してください。
現在のファイルを HTML に變換するには次のコマンドを使ひます:
:TOhtml
動かない場合は次のコマンドを試してください:
:source $VIMRUNTIME/syntax/2html.vim
カリカリと音を立て處理が開始します。巨大なファイルの變換にはしばらく時閒がかかります。しばらくすると別ウィンドウに HTML コードが表示されるので、どこかに保存してください (後で削除するファイルなので、適當な場所に保存してください):
:write main.c.html
このファイルをお好みのブラウザーで開いて印刷してください。うまくいけば、Vim の畫面での表示と全く同じものが印刷されます。詳しくは |2html.vim| を參照してください。全てが終はつたら、HTML ファイルは削除してしまひませう。
印刷する代はりに、HTML ファイルを Web サーバーに置いて、他の人にカラー付きの文書として提供することもできます。
|usr_44.txt| | 構文定義の自作 |
|syntax| | 全ての詳細 |
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